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流れ場制御

 MEMS Flowセンサを使った機体まわりの流れ場制御

出来るだけ低速で,なおかつ外乱が存在しても安定に飛行する無人航空機を目指します.最大揚力係数を利用すれば低速で飛行することが可能です.しかし最大揚力係数で飛行するには,正確に機体の姿勢を制御しなければなりません.そこで機体上面にセンサを配置し,センサ出力から剥離位置を推定し適切な位置で剥離するよう機体姿勢を制御します.

剥離位置制御コンセプト


センサ配置


採用したMEMS Flow センサは,順方向,逆方向の流れに対して感度があります.迎角を静的に変化させたときのFlowセンサ出力を測定しました.図中で出力が負のときは逆流,正の時は順方向の流れを意味します.迎角8度付近では,センサCでは流れが剥離しその後再付着していること,迎角18度付近で失速していることなどが見て取れます.揚力係数を測定する別の実験とタフトの観察から,センサC付近で剥離しているとき最大揚力となることが分かりました.そこでセンサCの出力を0とすることを制御目標としました.

Flowセンサ出力-迎角


機体運動に対するFlowセンサ出力の応答をモデル化するため,動的な試験を行いました.

動的試験概略


機体ピッチ角運動に対するFlowセンサ出力の応答をモデル化しました.そのボード線図を示します.なお,定常応答の大きさで割って正規化しています.

流れ場応答ダイナミクス


モデル化された流れ場ダイナミクスと機体の縦方向運動を合わせて一般化プラントを構築し,H∞制御器を設計しました.設計要求は,空力外乱が存在するもと,センサCの出力を小さくする,ピッチレートを小さくする,舵角を小さくすることです.

制御系ブロック線図


設計した制御器を数値シミュレーションで評価しました.ダブレット状のモーメント外乱を加え,制御があるとき,ないときの機体応答とセンサCの出力vcを計算しました.その結果,制御しているほうが機体も安定し,センサCの出力も抑えられていることが確認できました.

空力外乱

シミュレーション結果


以上の研究成果の一部を,International Workshop on Boundary-Layer Transition Study, Mimitsu, Hyuga, Miyazaki, Japan March 13-16, 2007 で発表しました.また,AIAA Guidance, Navigation and Control Conference and Exhibit, Marriott Hilton Head Beach and Golf Resort Hilton Head, South Carolina, USA, August 20-23, 2007 でも発表しました.
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