開講のお知らせ
自然科学研究科機械科学専攻向けの講義が木曜3限に開講されます.
今年度は,ビークル制御についての講義を行います.飛行機や車など,人が操縦するビークルのダイナミクスや制御器を設計する際,操縦性という最終的には感性よって評価せざるを得ない重要な評価指標を満足させる必要があります.それを科学的にとらえて解析・設計する統一的な手法について講義します.最後には,前半の基礎知識を踏まえたうえで,実際の飛行機や車,フライトシミュレータ,ドライビングシミュレータなどでの豊富な実例を紹介します.他では聞けないオンリーワンの講義です.
「航空宇宙システム特論」シラバス
時間:木曜3限
概要
オペレータが操縦するビークルに注目したダイナミクス解析と制御系設計について講義する.解析/設計に必要な制御系やシステム同定に必要な基礎知識に始まり,ビークルの操縦性の定義とその評価手法の歴史,航空機や車両における実例を紹介する.
1. 制御の基礎
- 安定性
- 極と零点
- 信号のノルムと伝達関数の大きさ
- ロバスト安定性と性能
- 制御系設計の目標
2. システム同定
- 連続系と離散系
- 最小二乗法による同定
- 閉ループ同定
3. ビークルの操縦性
- 操縦性・ワークロードの定義
- Pilot-in-the-Loop Analysis
- ビークルダイナミクスのパラメータで評価する手法
4. 操縦性評価の実験法
- 操縦性のヒアリング
- バイタルサイン
- モデル同定のための外乱印加
- 実験装置のセッティング
5. 操縦性要求を満たすビークルダイナミクス/制御系の設計
- 操縦性の定式化
- コンピュータを援用した設計
6. 実例
- 例1:インハウスのトラッキング実験
- 例2:フライトシミュレータでの操縦性評価
- 例3:ドライビングシミュレータによる操縦性評価
- 例4:ドライビングシミュレータによるドライバ状態の検出
- 例5:実車実験によるドライバ状態の検出