工作手法
小型の機体を製作するには,
- 発泡スチロールのフォーム材などを切り出し整形
- バルサでリブ組みをし,フィルムなどで被覆する
- CFRPでハンドレイアップ
などの手法があります.1は簡単に製作可能,2は軽量に製作可能,3は頑丈に製作可能などの特徴があります.ここでは複雑な曲面も比較的簡単に整形できる1を紹介します.
まず熱線カッターを準備します.50cmほどのニクロム線をテンションをかけて張り,電圧を印加することでフォーム材を切るものです.およそ1〜1.4[A]の電流が流れる電圧をかけます.
熱線カッター
熱線カッターを使って,フォーム材から機体の3方向の輪郭を切り出します.建物の断熱材として使われるスチレンフォームや低発泡率の発泡スチロールなどが適します.
切り出す輪郭
そのため輪郭の型を薄いベニヤ板で作ります.
型
この型をフォーム材のブロックの両面に貼り熱線カッターで型をなぞります.
型を貼ったフォーム材
機体後ろ上面を切り出した後
切り落としたフォーム材はスプレーのりで仮止めし,順次3方向の輪郭を切り取ります.
輪郭をすべて切り出した後
やすりで滑らかに整形します.
整形前(手前),整形後(奥)
アビオニクスベイ,ハッチ,尾翼,舵面などを製作し,サーボモータと舵面をリンケージします.
リンケージ
市販のラジコン飛行機用の部品が使用できます.
リンケージ部品
必要に応じてフィルム,FRPなどで表面を補強します.低アスペクト比で厚翼の機体やリフティングボディー機はフィルムで表面を保護するだけで十分強度を保てます.